映画をみてきました!!
最近ばたばたしておりましたが、暇を作って、映画を見てまいりました。
それは、
出口のない海
http://www.deguchi-movie.jp/
http://deguchi.navitown.com/index.html
です。
内容は、戦時中開発された人間魚雷「回天」に乗り込む青年達の人間模様を通して、戦争と平和を考えるということであったようにおもいます。
「半落ち」で有名な横山秀夫さんの同名小説の映画化で、
脚本には、「寅さんシリーズ」の山田洋次さん。
監督は、「半落ち」のときの監督の佐々部清さん。
そして、主演が、市川海老蔵さんと、話題には事欠かない
スタッフではありましたが、興行的には、あまり成功していなかった
と言えるのではないでしょうか。
じつは、この映画のチケットを会社のみんなにも配ったのでした。
その理由は、弊社の創業者であります祖父が、回天の技術者の一人であった
からです。祖父は、技術者であったので、戦争に行っていないのですが、
どうやら、回天に実際に乗っていく青年達に、技術的な指導をしたようでした。
そして、必ず言っていたのが、「みんな優秀な青年達だった。」と、
いうことでした。「生きていたなら、きっと日本の将来に役に立ったはず」
「回天」と言うものに、触れたことは、誇りではなく、悲しかった。
ということでした。「願わくば、平和のために技術を使いたい」
そう思ったそうです。祖父は、電気技術者であったのですが、
当時から、接点ひとつでもアメリカ製と日本製には、差があり、
太平洋戦争が始まったときには、耳を疑ったと言うことです。
「勝てない」と、はじめから思ったそうです。祖父は、祖母と
戦前に協会で出会って結婚したそうですから、ちょっと、西洋かぶれていた
かもしれません。学生時分に、実家に帰り「銀巴里か!」と親に
怒られたエピソードを聞かせてくれたこともありました。
一介のエンジニアであった祖父にとっては、回天は、かなりつらい思い出であったわけです。
だからこそ、僕は、この映画を見に行こうと思いました。
そして、泣いてきました。
この映画を見た人の中には、「戦争」ということを”私”と言う部分のみで
語っており、「公」の視点がない。なんていう批判をしていた人もいました。
僕は、全く頓珍漢だと思います。少なくとも、湾岸戦争に参加した僕の友人達も、
遊就館で語りかけてくるその声も、実際には、「公」なんてものはないんです。
愚かな判断をした当時の指導者達の犠牲になるのは、いつの時代も若者で、
天下国家を思って死んでいく人なんていうのは、ごく少数。国を守るため
と言うよりは、自分達の家族を守りたいと言う願い。愛する人を守りたい
と言う想い。そういったことを思いながら、死んでいくわけです。
そして、戦争に関する僕の考えは、以下の二つのブログに書きました。
遊就館を訪ねて
http://daikuron.exblog.jp/4246546/
桜の気持ちは、知らないけれど
http://daikuron.exblog.jp/5917235/
そして、その気持ちは、よりいっそう強くなりました。
とても良い映画であったと思います。
是非。
それでは、失礼します。
出口のない海
作品情報 - 出口のない海
ジャンル : スペクタクル
製作年 : 2006年
製作国 : 日本
配給 : 松竹
キャスト・スタッフ - 出口のない海
監督 : 佐々部清
原作 : 横山秀夫
脚本 : 山田洋次
出演 : 市川海老蔵 、 伊勢谷友介 、 上野樹里 、 塩谷瞬 、 柏原収史 、 伊崎充則 、 香川照之 、 古手川祐子 、 三浦友和